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<時間差の謎:パートⅧ>
◆ロケット内の科学者に立場
以上は地球に残った彼女の立場からしか考えていませんでしたが、ロケット内の科学者の見た自分の時計と彼が見た地球上の時計について考えて見ましょう。かれの立場からすれば地球と星との距離は決して10光年ではありません。光速に近い非常なスピードで走っているから、ローレンツ収縮により距離は縮みます。その結果、地球と星との距離は1.41光年となります。往復で2.82光年ですね。これをロケットの速さ(光速の99%)で割ると2.82÷0.99=2.85、つまり2.85年となる、出発から帰還まで科学者自身が自分の時計を見ていると2.85年経過し、40歳の彼は43歳ほどで帰還することになります。これは地球上の人が観測したかれの年齢と全く一致します。
ところで、科学者が地球上の時計を見ると、地球はロケットに対して光速の99%の速さで走っていることになりますから、科学者の時計よりも1割4分の速さで時を刻むことになります。科学者の時計は、自分でみて往復合わせて2.85年ですから、この間に科学者の見た地球の時計の進み具合は2.85×0.14=0.4年しか経たない。だから、地球の彼女は帰還時にはやはり18歳である・・・としてはいけないのである!!これでは矛盾になってしまいます。どこがおかしいのかということは双子のパラドックスで指摘したようにロケットのUターンが曲者だったのです。Uターンするときに、科学者から見た地球上の時計はものすごく時間が経過します。Uターンする間に科学者の時計はほとんど進行しませんが、地球上の時計は計算すると19.8年も経過してしまいます。だから、地球上の人間の年の取り方をロケット内に人が見ていたら、往路で0.2年、Uターンの時19.8年、帰路で0.2年、合計20.2年となり、地球上の人が自分の時計を見ていた場合とピタリ一致します。
一般相対性理論を認めると、もっと遠い星まで旅行してくれば、地球上では50年も100年も時間が経過しているということも考えられます。帰還した旅行者が自分の子供よりも、孫よりも若いということも起こり得ます。
ところで、何か釈然としないものが残りますね。それはなぜ地球系とロケット系とで不平等でなければならないのか。ロケットも地球も宇宙に浮かんでいる物体であることは変わりない。ロケットが往復運動したのではなく、ロケットは止まっていて地球の方が行ってきたとしても全く同じではないか。そう考えると地球人だけが年をとる理由は全然ないではないか、という反論です。こうなると、一般相対性理論の正誤は実験の判定を待つしかないのですが、精密な実験の結果、一般相対性理論の正しさが確認されています。これは時空間のもつ不思議な性質なのですね。深く考えると、頭が錯乱してきますが、、、、
兎も角、ロケットの科学者と地球で待つ彼女は年齢差5歳に縮まり、めでたくご結婚されるのでしょうね(先のことは科学でも分かりません。。。)ということで、この小文を終わることにします。お疲れさまでした。
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