|
|
<時間差の謎:パートⅣ>
<ローレンツ収縮について>
さて、棒の長さというものは一体何なのかということを考えて見ましょう。
”長さ”というからにはある座標系で棒の両端を同時に測らなければなりません。棒の一端Aを時刻taで測り、一端Bを時刻tbに測って勝手にxb-xaを棒の長さだとしてもそれば棒の長さとは関係ないのです。同時刻ta=tb=tにおける量|xb-xa|を棒の長さと考えなければなりません。いま、棒がある座標系K’に対してxの正の方向に速さVで動いているとします(走っている車の中で棒の長さを測るというイメージ)。
動いている車の座標系をKとします。車の中でのxa、xbは車の外(K'座標系)ではダッシュをつけてxa'、xb'と観測されるとします。するとぞれぞれの関係は時刻をta=tb=t(同時刻)とすると、
xa'=(xa-Vt)÷γ xb'=(xb-Vt)÷γ
という関係式が得られます。γは上にでてきましたね。
さて、xb'とxa'の差が棒が静止している時の長さ(L0)で、車の中で測った棒の長さ(L)はxbとxaの差になります。
上の式を操作すると
|xb-xa|=L=L0×√(1-β^2)
となりますが、この式をよくご覧になってください。ナント動いている棒の長さ(L)は静止している棒の長さL0より短くなっているではありませんか!! つまり、棒の長さは、車の外から走っている棒を見た場合、運動方向に縮まるのです。これをローレンツ収縮と呼んでいます。
また、時刻についても、車の中の時刻は車の外から眺めた場合、車の外の時刻より”ゆっくり進む”ことになります。つまり、座標系によって時計の刻み方が異なります。注意すべきは、このような現象は決して車に乗っている人が棒に圧力を加えたためとか、時計をわざと遅らせたためとかいうのではなく、完全に空間・時間の性質からきたものである、という点です。びっくりしますが、空間・時間の本質はこのようなものなのですね。
◆上の議論を整理すると
①走っている棒は短く収縮して見え、時計はゆっくりと進む。これをローレンツ収縮と呼ぶ。
②ローレンツ収縮は空間・時間の本質的な性質から生じる。
|
|