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<時間差の謎:パートⅢ>
普通、時間というものを座標とは別に特別なものとして捉えていますが、特殊相対性理論では時間も座標も同じ仲間であるという認識に立っています。つまり、従来は、現実の時間というのは、すべての座標系に対して絶対的かつ共通のものとして考えてきました。しかし、アインシュタインは、それは正確ではないんだ、時間はそれぞれの座標系に共通のものではなく、各座標系はそれぞれ”自分の時間”を持つのだ、というです。”同時刻”という意味は各座標系で異なっている、ということなのですね。このことは、物体の長さや時計の進み方が各座標系によって異なるという事情を生み出すことになります。この辺の事情を具体的に見て見ましょう。
ある事件(例えば花火を打ち上げた)が起こったとします。その事件がいつ・どこで起こったかを指定するために1つの座標系Kを考えます。そこで事件が起こった場所をx、事件の起こった時刻をx0とします。同じ事件を、ちょうど、車で通りかかったA氏が見たとき(※)、A氏は事件の起こった場所はx’、時刻はx0’だったといいました。両者の(xx0)と(x',x0')の関係を計算すると
x'=(x-βx0)÷γ、x0'=(x0-βx)÷γ、
β=V÷c、γ=√(1-β^2) (但し、β^2はβの2乗でβ×βのことです)
となります。この式を見ると、A氏が言う場所x’はxと異なっていることが分かります。また、事件の発生時刻もx0と異なる時刻ということになります。つまり、同じ1つの事件でも車のA氏から見れば、事件は異なった場所、異なった時刻で起こったことなる訳で、”同時”ということが座標系によって異なるという、びっくりするような事情が出てきます。もっとも車の速度Vが光速度cに比べて非常に遅ければ、上の式からβ≒1となりますので、この結果x'=x、x0'=x0となり、普通日常生活で経験していることが成りたちます(←日常生活はほとんどこれですからご安心召されたい、、、)。
(※)車は座標系Kのxの正の方向に速度Vで走っており、両者の座標の原点が一致したときに両者の時計も一致していたとします・・・ややこしいですが絵を描いて考えてみてください)
◆整理すると
①時間はすべての座標系で絶対的かつ共通のものではない。各座標系はそれぞれ自分の時間を持つ。
②同時刻という意味は各座標系で異なる。
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